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2015-04

諸塚からのしいたけ便り、春

Posted on 2015-04-30

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「美しい」としか言いようが無い。震災の影響で風評被害を被って国産しいたけの価格は長く下がっています。少しずつ回復の兆しが見え始めたとはいえ、まだまだ厳しい状態が続いています。

そんな中、淡々と丁寧に美しい椎茸をつくり続ける日與川さんご夫妻を秋から春にかけて取材しました。心温まる穏やかな交流の中で感じたこと、それは多くの人にこの『香信』の美しさと、それを育む人、そして諸塚の山の素晴らしさを知って欲しいということ。そして、日本中の人が日本の干し椎茸をもっと食べて欲しいということ、それは日本の山を、暮らしを守ることにつながるかもしれないから。

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去年の秋に伐採されたくぬ木の原木を山で枯らし、年明けに長さを揃える『玉切り』。重い原木を一か所に集めてくるのは大変な作業。

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『こま打ち』は原木に椎茸の菌を植え付ける作業、ドリルで穴をあけ、カナヅチで種ごまを打ち込む。

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こま打ちを終えた原木は、松林に『伏せ込み』二夏を過ごす。この間に菌が原木全体にまわって、ほた木となる。

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伏せ込みから2回目の秋には、いよいよ椎茸が発生しはじめる。ほた木をハウスに入れて、ちょうど良い大きさに育った頃を見計らって大切に収穫していく。

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干し椎茸にするための室。乾燥には機械も使うが、仕上げはやっぱり薪を使ったこの室で行う。絶妙な温度でじっくり乾燥させる。

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出来上がった『香信』。カサの丸まった『どんこ』と違って香信は、程良く開いた状態のものを言う。美しく質の揃った香信をこれだけ揃えるのは数々の賞に輝いたプロならではの為せる技。

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長さを揃えるために切られた原木の切れ端は日與川さんの丁寧さと椎茸に対する愛情の現れです。照れ屋の日與川さんご夫妻に「ありがとうございました。」と告げて山をおりました。

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粉と水と塩で幸せ

Posted on 2015-04-16

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3月のある日、五ヶ瀬町鞍岡のパン屋さんを訪ねました。約束の時間に間に合うように延岡を出発した僕に、スタッフからメッセージが・・・

「雪が降っているので、チェーンがないと危ないかも・・・」

と、ラクルさんから連絡がありました。

「ま、行けるところまで行ってみる。」

そんな寒い日の取材でした。

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五ヶ瀬、鞍岡は祇園山の麓、盆地のような集落。古代の地層を通って湧き出す妙見神水と小麦粉と塩をつぎ足しつぎ足し育てた酵母(上写真)を使って焼かれるパンがある。酵房樂流(ラクル)。

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関東生まれの佐藤暢晃さん、利律子さんの二人は、沖縄で出会った。琉球ガラス職人と織物作家はその後、加計呂麻島に渡ってパン屋を開いた。そして二年前、利律子さんのご両親が県北、鹿川に移住していた縁で、この鞍岡に移って来た。家を借り、敷地に暢晃さんは樂流の建物を自力で建て、窯を築いた。時間をかけて酵母を育て、薪を集め、野菜をつくってきた。月曜から水曜までは、創作や薪集めに充て、木曜から日曜までパンとピザを焼く。「昔からある自然な作り方で、まるで、田舎のおばちゃん達が味噌や漬物を作るように・・そんなパンやピザを作りたいんです」と暢晃さん。

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利律子さんは、店の手伝いをしながら、綿や麻の他、和紙を細かく裂いて糸を紡いで機を織る。着物の反物、帯、ショールは緻密にくり返す模様が美しい。今は四月の東京での個展に向けて作品を作っている。細かい糸が縦と横に組み合って一筋ずつ織り成されているその織物を見ていると、二人の暮らしと重なって見えてくる。

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時間と手間をかけて積み重ねていく事の美しさ。早い事、便利な事が決して良い事とは限らない。余分な物をしょい込まず、本当に必要なものを大切に育てていく意味と楽しさを二人は食べ物と織り物で表現しているよう。
樂流という店の名は、そういう暮らしを流れるように楽しむという意味。写真に焼きついた二人の笑顔が何よりもそれを物語っていた。

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